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乳糖不耐症とは

毎年冬場の気温が下がり北風が吹き乾燥する頃、ウイルス性胃腸炎が増えてきます。
突然の嘔吐から始まり、吐き気が治まったころから激しい下痢になります。
発熱することもあります。
ウイル性胃腸炎(感染性胃腸炎)と診断されて、吐き気も治まり食欲も出てきたのに下痢だけ長引くことがあります。
このような時に乳糖不耐症を疑います。

牛乳やミルク、母乳には乳糖という成分が含まれています。
乳糖は正常な小腸の上皮細胞に含まれるラクターゼという酵素によって分解されます。
下痢が続き腸が弱っている状態が続くと、ラクターゼが減ってしまい乳糖を分解できなくなります。
乳糖が腸の中にたまってしまうと腸管内の浸透圧が高くなり、下痢を起こしてしまいます。
酸っぱい臭いのする便が出たり、ガスが発生してお腹が張ったりすることもあります。
この状態が、乳糖不耐症です。

乳糖不耐症は先天性のものと、ウイルス性胃腸炎などから起こる二次的なものがあります。
小児科外来で見かけるのは、二次的乳糖不耐症です。

治療は、ミルク栄養の赤ちゃんでは乳糖分解を助ける酵素剤(ミルラクト)をミルクに混ぜて飲ませます。
母乳栄養の赤ちゃんでは、哺乳前にミルラクトを飲ませます。
困ったことに最近ミルラクトが製造中止になってしまいました。(メーカー側の理由だそうです)
一番手っ取り早いのは、乳糖の入ってないミルク(ノンラクトミルク、森永)に切り替えることです。
ドラッグストアやネットで買うことができます。
離乳食が進んでいる赤ちゃんの場合は、ミルクや母乳を減らしておかゆなどを中心に消化の良い食品に切り替えてもよいと思います。

ノンラクトミルクに切り替えた場合、症状が良くなってすぐに元のミルクに戻すのではなく、便の様子を見ながら少しずつ普通のミルクに戻していきます。
小腸の粘膜が修復されるには時間がかかることがあります。
焦らずにゆっくり進めていけばよいでしょう。

年末は珍しく紅白歌合戦を家族で観ました。(いつもチャンネル権はほとんど私にはないのですが、裏番組で面白い番組がなかったそうで・・・)
出演者の顔ぶれが様変わりしていて、ちょっと新鮮、その中でどこか懐かしい感じのメロディで感動した曲がありました。
「時代遅れのRock’nRoll Band」
♪子どもの命を全力で大人が守ること それが自由という名の誇りさ♪
カッコいいですね! そんな大人でありたいです。


蝋梅(ろうばい)
梅という字を書きますが、バラ科の梅とは全く違う樹木です。1-2月に咲きます。
甘く優しい香りが、近づく春を予感させてくれます。

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